いまだ考える。
手術して成功するだろうか。
手術せずとも寿命は全うするだろうか。
あまり考えたくはないが、手術が失敗した場合と、手術せずに数か月で命を落とした場合、どちらが後悔するだろうか。
拾わず野生で生きていた場合、何年生きるであろうか。
大福自身なら、どうするだろうか。
どのような選択肢が大福にとって幸せか、悩みに悩んだ。
母にも電話した。
主導的に電話するなど、十数年ぶりか。
迫りくる手術のタイミング。
大福の体重は2キロを超え、手術可能な要件を満たす。
思うに、どんだけ考えても、どんだけ悩んでも、恐らく何かあれば後悔するのであろうなと。
そもそも最善の選択肢などはこの段階でわかりようもなく、残るのは結果論のみという事に気付く。
そんなわけで、本来の猫が持つ、機敏で走り回る姿を見たいという一点の思いで手術することに決めた。
ペットとして飼っている以上、人間のエゴを通す。
大福には、走り回る素晴らしさを知ってもらおう。
一言、大福に「がんばってくれよ」と声をかけ、手術の日を待つことにした。
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